「もっと給与が欲しい」「もっと休みが欲しい」「仕事が忙しすぎる」
このように思う社員は多くいます。経営状態の全体が見えている経営者側からすれば身勝手なこととつっぱねてしまいたくなるのは無理もありません。
ですが、実際に離職率が上がってしまえば人材不足になり経営が続かないという事態にもなりかねません。
「あなたの会社の離職率は?①離職率の計算と平均」では、離職率の計算とリサーチの平均をご紹介します。
職場に不満がある社員の割合
人と組織に関する調査・研究活動を行っているパーソル総合研究所が、アジア太平洋地域(APAC)14ヵ国・地域の主要都市において、就労者の働き方や意識についての実態調査を実施し、2022年に発表しました。
出典:パーソル総合研究所
「はたらくことを通じて、幸せを感じている」就業者は、インドが最も高く、アジアは低い傾向にあります。
日本は49.1%と最も低く、特に20代が低いという結果が出ています。
また、マーケティングリサーチを行う株式会社イー・クオーレが2019年に実施した「職場環境に関する意識調査」にて、「働き続けたいと思わない理由は何か」という質問への回答は、
1位は給料・福利厚生
2位は評価が公平でない/これ以上の成長が見込めない
という結果でした。
社会全体からみても仕事に不満を感じている人が多いことがわかります。
このような中でも、あなたの会社の社員の満足度を上げるために独自の対策をとれば、他社との差別化を図ることができます。
離職率・定着率の計算方法
あなたの会社の離職率を計算したことはありますか?
もしまだであれば、傾向を知るために算出してみてください。
離職率は、「ある時点で働いていた人数のうち、一定期間後に退職した人の割合」です。
離職率=離職者数÷期初の常用労働者数×100
中小企業の離職率 2000~2012年で平均12~15% (厚生労働省「雇用動向調査」より)
離職率は期間を定め計算します。
また、新入社員の離職率などセグメントをかけることもできます。
平均より高い場合は、離職率が高いと捉え対策を考える必要があるでしょう。
大切なのは離職率だけではない
ただし、離職率は1つの参考にしていただきたい数値ではありますが、別の見方をすると「定着率が高い」のは人の流れが止まっているとも考えられます。
仮に経営方針に合わない社員が離職したとしても、その代わりに優秀な人材を採用できているのであれば会社にとってはメリットです。また、定着率が高く高齢の社員ばかり残っていては次第に活気がなくなっていくでしょう。
一番重視していただきたいことは
「社員が満足して働いているか」
「自社の方針に合った人材か」
という点にあります。
「あなたの会社の離職率は?②よくある退職理由と解決策」では退職理由について考察してきます。