生産性向上を目的にクラウドツールの導入を進める中小企業が増えてきています。
しかし、クラウドツールを導入したものの、「現場で利用されていない」「活用しきれていない」といった理由で、断念をした経験がある方も多いです。
また、クラウドツール導入で生産性向上が実現できることは分かっていても、「ITに詳しい社員がいない」「自社では使いこなせそうにない」といった理由で躊躇されている方もいるでしょう。
WORK SMILE LABOもクラウドツールの定着に失敗した経験があります。今回は失敗の経験から分かってきたクラウドツールを定着させるポイントをご紹介したいと思います。
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クラウドツールの定着における課題とは?
中小企業にクラウドツールが定着しない代表的な課題は下記の3つです。
現場の社員がツールを使ってくれない
この課題は現場の社員がツールを導入するメリットを感じられないことによって起きます。
管理者にとってメリットがあっても、現場の社員にとっては入力作業が増えてしまうような場合ではこのような課題が発生しやすいです。
どんなに良いクラウドツールでも、現場の社員が使ってくれなければ宝の持ち腐れになってしまいます。
管理者がツールを使いこなせない
もう一つは管理者が抱える課題です。
今まで紙で管理していた情報はデータ化し、クラウドツールで一元管理できることで便利になります。
しかし、管理者がデジタル化への急な変化にうまく対応できずにクラウドツールの定着に支障が出ることがしばしばあります。
管理者にはITが苦手な年配者が多いことが要因です。
IT担当者が社内にいないため、ちょっとした不具合や不明点に対処できない
中小企業の場合、必ずしも社内にIT担当者がいるとは限りません。
IT担当者がいないとツールを利用し始めた段階に起きる不具合や不明点の解決をその場でできません。
解決が後回しになることが、元のアナログな管理方法に戻るきっかけになってしまいます。
かつて、WORK SMILE LABOも上記のような課題を抱えていました。
そこで、クラウドツール定着を目的にいくつかの取り組みを行っています。
効果のあった取り組みを共有させて頂きます。
まずクラウドツールは期間を設定して試験導入をする
WORK SMILE LABOでは、本格的にクラウドツールを使い始める前に1~3か月の期間を設けて試験導入をしています。
クラウドツールの多くは無料お試し期間を設けているので費用もかかりません。
通常業務の中でツールを試験活用することで、ツール選定段階では把握することのできなかった課題点を把握できます。
試験導入期間に現場の声に耳を傾けることもポイントです。
現場が難色を示すクラウドツールはなかなか定着にパワーが必要だからです。
定着が難しいと感じた場合は、別のツールを試すことも一つの選択肢です。
クラウドツール導入に前向きなメンバーを試験導入に巻き込む
試験導入はクラウドツールの導入に前向きなメンバーを集めてスタートします。
試験導入のメンバーが限定されることで、スピーディにツールの検証ができ、余分な時間と労力を費やさずに済みます。
試験導入に選ばれたメンバーは既にクラウドツールを使っていますので、全社的な導入になった際には、クラウドツールの操作方法を教える役割を担うことができます。
社内でクラウドツールの利用方法を知っているメンバーを事前に作ることで、定着のハードルを下げることができます。
デジタル推進委員会を社内で立ち上げる
WORK SMILE LABOでは会社の取り組みとしてデジタル推進委員会を立ち上げ、定例会議を行っています。
この委員会では社員がクラウドツールを用いた会社の生産性向上についての提案を出し合います。
そして、すでに導入しているクラウドツールに関する改善案や新機能の導入方法についても話し合いがされます。
提案が採用された社員は会社からの評価も上がるようにしています。評価が上がることで賞与にも反映されます。
委員会活動をスタートしたことで、社員が主体的にクラウドツール利用について考えてくれるようになりました。
人時生産性を評価項目に入れる
クラウドツールの利用が定着化しない理由に、デジタルへの変化を拒む社員の意識があります。
そこで、弊社では評価制度に人時生産性(従業員1人が1時間働く際の生産性)を評価項目として入れています。
評価項目に人時生産性を取り入れたことで、社員自らが生産性向上をするために積極的にクラウドツールの活用に取り組んでくれるようになりました。
どんなに良いクラウドツールでも、定着しなければ効果が出ません。
弊社の経験や取り組みが少しでもクラウドツール定着の参考になれば幸いです。
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