「あなたの会社の離職率は?①離職率の計算と平均」では、一般的な退職理由から解決策を考察しました。
この記事では、自社の社員の悩みを具体的に聞き取ることから社員の満足度を上げ、離職率を下げる方法をお伝えします。
社員から本音を聞き出すには
社員の悩みを把握するには社員と直接話をする時間を作ることが必要です。
ただし、面接などかしこまった状況では本音を聞き取ることは困難かもしれません。
時には立場を超えた人と人との対話が必要です。
一方的に経営側の考えを押しつけては本音を聞き出すことはできません。
コミュニケーションの本質は、お互いの価値観のズレを認識し近づけていくことにあります。
特に年の差がある若手社員は、世代の価値観の違いがあることを知ることでコミュニケーションがとりやすくなります。
「新入社員意識調査」アンケート
若手社員の仕事に対する価値観はどのようなものでしょうか。
次の表は、リクルートマネジメントソリューションズがZ世代である新入社員に対して「仕事をするうえで重視すること」を聞いたアンケートの結果です。
(出典)2022/7/4 リクルートマネジメントソリューションズ
「新入社員意識調査2022」
いわゆる金銭や競争といったような外発的動機よりも、貢献・成長・やりがいといった内発的動機を重視する傾向が強いという結果がでています。
また、生きる選択肢が増えている今「自分に合うものを選ぶ」ことが当たり前になってきています。
内的動機を重視し「自分に合うものを選ぶ」ことが当たり前であれば、自分に合わないと感じた役割や仕事に対して違う選択肢や場所を探すことも当たり前でしょう。
人生の中で「仕事」の重要度は昔に比べ低く、より個人や家族の幸せを重要視するようになった点も違いがあります。
一方、若い世代は地球環境や社会貢献に意識を置き、「本当に社会のためになる人間になるには」と考える傾向もあります。企業の理念と個人的な内的動機が合致し、活躍している若い世代は多くいます。
社員とコミュニケーションを取るには
このような傾向を一概に「最近の若者は・・・」と決めつけてしまうのは客観的ではありません。
これは若い世代に対してだけではありません。個人と個人の価値観のズレは必ずあるもの。コミュニケーションの本質を理解し、お互いの価値観のズレを認識した上で対話することが人間関係を円滑にします。
価値観を押しつけず社員と対話し、協力して企業理念や行動指針を作って行けば、価値観は違っても同じ方向を向いて進んでいくことが可能でしょう。新しい時代に変化しながら持続していくことができ、離職率を下げるだけでなく業績を伸ばすことにもつながります。
企業理念を明確にし、その行動を見える形で評価する人事評価制度が今後ますます必要になっていくと言われている理由はこのような点にあります。
まとめ
自社の社員の悩みを把握するには社員と直接話をする時間を作ることが必要です。
特に年の差がある若手社員は、世代の価値観の違いがあることを知る必要があります。
互いの価値観を受け入れながら協力して企業理念や行動指針を作って行けば、離職率を下げることだけでなく業績を伸ばすことにもつながります。
企業理念を明確にし、その行動を見える形で評価する人事評価制度が今後ますます必要になります。