近年ビジネスの現場で耳にする機会が増えたデジタル化という言葉。
デジタル化とは、「デジタル技術を活用することで、業務プロセスの効率化や、競争優位性の高い新たなサービスやビジネスモデルを実現すること」を意味します。
例えば、FAXで送っていた資料をメールで送るのも簡単なデジタル化の例です。
デジタル化によって、人間が管理していた作業を効率化したり、ミスを減らしたりすることができるだけでなく、印刷代などのコストも削減できるため、多くの企業がデジタル化に取り組んでいます。
今回は、そんなデジタル化の意味、デジタル化を推進する意味について解説します。
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デジタル化の特徴とは何か
時間、温度、音の大小などの物理現象、誰かと会話するなどの「できごと」は「アナログ」と呼ばれます。アナログのままではコンピュータで扱えないため、コンピュータで扱える形、0と1の組み合わせ(デジタル)に変換する必要があります。
現実世界のアナログな「できごと」「ものごと」はwebやモバイルデバイスなどデジタル世界との接点となるツールを通してデジタル変換することで、コンピューター処理できる形になります。
そんなデジタル化の特徴には、以下のようなものがあります。
特徴①スピードが早い
デジタル化された情報は、ネットワークで素早く相手に送ることができます。
また、テレワークを導入した場合、出社にかかる時間や会議に出向く時間などが発生しないため、業務スピードが上がります。
特徴②様々な変更に対応しやすい
通常、組織を変更したり業務の手順を変更するには、様々な手続きが必要になり時間がかかります。
しかし、デジタルで業務を管理していると、業務に関する一切をコンピューター上で管理できるため、変更が必要な時も即座に対応できます。
特徴③情報が劣化しない
ある製品サンプルをアナログで複製する場合、複製するたびに劣化が起こります。また、紙に記録された情報は時間の経過とともに劣化します。さらに、口頭で伝達された情報は、正しく伝えられない可能性が高くなります。
しかしデジタル化された資料であれば、何度複製しても劣化せず、コストも時間もかかりません。
デジタル化する意味
では、デジタル化が求められる理由について詳しく見てみましょう。
①業務効率化が図れる
業務を電子化すると、これまでかかっていた押印や各種承認の手間が省けるため、効率よく業務を行えます。
業務をデジタル化して効率化することで、新規事業に挑戦する余裕が生まれたり、残業の削減にもつながります。
②多様な働き方が可能になる
業務をデジタル化することで、多様な働き方が可能になります。
web会議システムやビジネスチャットを使用したテレワークを導入することで、育児で出社が困難な人でも自宅で仕事をすることができます。
また勤怠管理システムを導入することで、育児や介護のための時短勤務やフレックスタイム制など、多様な働き方が実現できます。
③緊急時でも事業を継続しやすくする
業務をデジタル化することで、災害や疫病の流行が起こっても事業を継続することができます。
具体的には、ビジネスチャットやクラウドシステムを利用したファイル共有で、社外にいても連携を取りやすくしておいたり、契約書作成などのアナログ作業をデジタル化しておくなどが、緊急時や非常時での有効策です。
緊急時にも対応しやすい体制を作っておくとクライアントからの評価が上がり、企業価値の上昇につながります。
④データが蓄積できる
業務をデジタル化すると、いままで廃棄されていた紙の資料などもパソコンで容易に管理でき、必要な時に再利用することができます。
近年では情報資産という考えかたが浸透しつつあり、ひとつひとつの資料は不要に見えても、蓄積された情報から得られるデータが新たな利益を生む可能性があるのです。
「デジタイゼーション」と「デジタライゼーション」の意味とは
デジタル化を意味する言葉として「デジタイゼーション」と「デジタライゼーション」があります。
「デジタイゼーション」は、デジタル技術によってビジネスの方法を効率化、コスト削減
、付加価値の向上を目指す場合に使われます。
例えば、紙の本を電子書籍化することで、いつでも本が購入でき、たくさんの本を持って歩くことができます。
また、例えば人間が行っているWeb画面からExelへのコピー作業をロボット処理にすることで、作業工数の削減と、人手不足の解消を実現できるでしょう。
つまり、「デジタイゼーション」は業務を合理化、効率化するためにデジタル技術を使う場合に使われる言葉です。
一方「デジタライゼーション」は、デジタル技術を利用して新たな価値や利益を生み出す出す場合に使われます。
例えば、以前は音楽を聴くためにはCDを買う、ダウンロードする必要がありましたが、現在では月額定額のサブスクリプションサービスが登場し、音楽や映画の楽しみ方は大きく変化しました。
このように、「デジタライゼーション」は既存のビジネスモデルを変革し、新しい価値や利益を生み出すためにデジタル技術を使う場合に使われる言葉です。
これら2つのデジタル化は、どちらが優れているというものではありません。
どちらも社会にとって必要なデジタル化ですが、目指すゴールが異なります。
企業がデジタル化を考える際は、2つの用語の意味の違いを理解し、自分たちがどちらのデジタル化を目指すのかをふまえ、自社が取るべき戦略を考える必要があります。
企業にとって意味のあるデジタル化の進め方とは
デジタル化はどのように進めていけば良いのでしょうか。
ただ、デジタル機器を導入するだけでは、デジタル化の効果を引き出すことができないため、適切にデジタル化を進めるためのプロセスを見てみましょう。
プロセス①アナログのデジタル化
まず最初は、現在アナログで行っている業務をデジタル化します。
具体的には、
紙を使った業務を廃止、電子データでのやりとりに移行する(ペーパーレス化)
紙の契約書を廃止する(電子契約への移行)
データ入力を自動化する
オフィスにあるサーバーを、ネット上にサーバーを置く「クラウド型」に移行
といった作業が考えられます。
プロセス②業務全体のデジタル化
特定業務のデジタル化を終えた次の段階として、複数の担当者や部門が関わる業務全てをデジタル化します。
具体例として、受注業務のデジタル化を見てみましょう。受注業務は、一般的に以下のように行われます。
【アナログ業務のみの状態】
①取引先から紙の注文書を受け取る
②営業担当が事務担当に紙の注文書を渡す
③事務担当は注文書を見ながら基幹システムにデータを入力する
④管理者が注文書を確認し、了承する
⑤基幹システムから請求書を発行し、取引先に郵送する
注文書が、複数の人の手を渡り処理されるのがわかります。
次に、アナログ業務のデジタル化後の受注業務の流れを見てみます。
【アナログ業務がデジタル化された状態】
①取引先から紙の注文書を受け取る
②営業担当が、OCR(光学式文字読み取り機)で注文書をデジタル化し、データを事務担当へ送る
③事務担当が、データを基幹システムにアップロード、登録して承認申請を行う
④管理者が確認、受注を承認する
⑤基幹システムから請求書のデータを出力し、取引先へメールで送る
アナログの処理で発生していた注文書の手動入力の行程がなくなり、業務が効率化されたのがわかるでしょう。
最後に、業務全体がデジタル化された状態を見てみましょう。
【業務全体がデジタル化された状態】
①取引先から紙の注文書を受け取る
②営業担当が、OCR(光学式文字読み取り機)で注文書を読み取ると、RPA(作業を自動で行うソフトウェアロボット)が自動起動する
③RPAが、データを基幹システムにアップロード、登録して承認申請を行う
④管理者が確認、受注を承認する
⑤承認後、自動で請求書がメールで取引先に送られる
ほとんどの作業がソフトウェアロボットによって自動で行われたのがわかります。上記の場合だと、人間の作業は注文書を読み取る部分と、管理者が確認する部分だけです。
このように業務全体をデジタル化することで、業務効率を大幅に改善することができるのです。
業務のデジタル化はワークスマイルラボにおまかせ
今回はデジタル化とはどのような意味があるのかについて解説しました。
業務のデジタル化を推進することで、業務上の様々なプロセスが効率化できます。
書類作成や郵送などにかかっていた時間が削減されることで、自社の収益を上げるアイデアを発展させ、業務向上につなげることができるでしょう。
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