2020/06/02読売新聞に掲載されました
新しい働き方 在宅ワーク
30人規模 中小企業が成功
「在宅ワークに向かない」とされる職場は多い。コスト面で取り組みにくい中小企業や、自宅での仕事になじまない業種・職種などだ。
そうしたなか、様々な事情を乗り越えて導入した起業に、注意を払ったポイントや成功のカギを聞いた。
まずは試しで
人影がまばらなオフィス。壁掛けの60インチの大型モニターに在宅ワークの社員たちが映し出される。
事務機販売のワークスマイルラボで営業事務を担当する小橋三菜美さんは、
「育児や家事とのバランスがとりやすい。柔軟な制度で、理由も問われないため、子供の発熱だけでなく、家事をするため昼休みに帰宅して、そのまま在宅ワークに切り替えることもある」と話す。
中小企業で在宅ワークの導入が進まない背景には、検討する部署のマンパワー不足や、資金面の問題がある。
従業員30人規模のワークスマイルラボは、対象拡大や機材の導入を少しづつ進めることで、在宅ワーク導入に成功した。
広報の瀬尾直樹さんは
「最初から完璧を目指さず、まずは試してみて、必要なものをそろえていったのが良かった」と振り返る。
元々、子育て中のパート社員の急な欠勤による影響を軽減しようと、2016年に特例として在宅ワークを認めたのが始まり。
「来客や電話対応の必要がなく、仕事の効率が上がった」と好評で、導入1ヶ月後には内勤社員全員、1年後には営業職を含む全社員に対象を広げた。
始めてすぐに、在宅ワークだとタイムカードが押せないと気づき、パソコン上で勤怠管理ができるソフトを導入。
コミュニケーション不足を心配する声があがれば、在宅ワーク中の姿を映し出す大型モニターや、社員同士がやりとりできるチャットシステムを導入するなど試行錯誤の連続だった。
時間ではなく、成果を賞与に反映させる評価制度も整備。新しいソフトを導入する際は、「必ず複数の製品を比較し、パソコンやスマホの扱いが苦手な社員にも試してもらった」(瀬尾さん)
中小企業向けテレワーク導入支援
ワークスマイルラボは2年前に石井事務機センターから社名変更し、中小企業向けの在宅ワーク制度の導入支援サービスを開始。セミナーや個別相談で自社の経験を伝えている。
これまでにサポートを受けた約70社が導入を決めた。
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