山陽新聞掲載:テレワーク取り組みのポイントは
ワークスマイルラボ・石井社長に聞く テレワーク取り組みのポイントは
新型コロナウイルスの感染対策で在宅勤務(テレワーク)の活用が岡山県内の企業でも広がりつつある。
4年前から実践し、テレワークの先駆企業として全国的な表彰も受けているオフィス機器販売・ワークスマイルラボ(岡山市南区福浜町)の石井聖博社長(40)に、導入時の注意点や長期的に取り組んでいくためのポイントを聞いた。
同社は2016年にテレワークを始め、翌年対象を全従業員に広げた。
ノウハウを県内外の企業に紹介する事業などを手掛け、18年に総務省の「テレワーク先駆者百選」の最優秀、今年2月には日本テレワーク協会(東京)による「テレワーク推進賞」の最上位の会長賞を受賞した。
新型コロナ感染拡大を受け、同社は3月から導入を後押しするセミナーを開催。「情報収集というより、導入を前提とした問い合わせが圧倒的に増えた」と石井社長は話す。
オンラインでの相談にも応じ、これまでに県内外の企業から100件以上の問い合わせがあった。うち3割ほどは実施に向けて動きが見られるという。
テレワークの導入について
ただ、テレワークの導入は、感染が広がっている首都圏などが先行。
厚生労働省の無料通信アプリ・LINE(ライン)を使った調査(4月12~13日、オフィスワーカー対象)では、岡山県の実施率は5・5%と全国平均の26・8%を下回った。
「コスト面の不安のほか、『会社全体でやらなければ』という意識が強く、踏み切れない企業が多いのでは」と推測する。
テレワーク取り組みのポイントは
業務内容によりセキュリティー対策や書類の電子化といった準備が必要だが、既存のシステムやサービスをうまく組み合わせれば、コストを抑えるのは可能という。
例えばウェブ会議はパソコンと安価なウェブカメラでもできる。感染症対策を目的にテレワークを取り入れる中小企業には国の助成金もあり、「始めるのに最適な時期。
少人数でもできる部署から実施するのが大事」とする。
慣れない環境下で生産性が下がるのでは、という懸念もあるだろう。ところが、「実際にやってみると、むしろ生産性は向上する」と石井社長。
「通勤時間がなくなる上、『さぼっていると思われたくない』という心理も働くようだ」という。もし、効率が落ちるようなら集中できない原因があるのかもしれない。
「経営者が『業務をする上で何か不都合があったらひとこと言ってね』と気に掛け、従業員とともに改善点を探っていくことでより使いやすいものになる」 テレワークは今回のような非常時に事業の継続性を確保できるほか、従業員のワークライフバランスが図られるなど、会社と従業員の双方にメリットがあるとされる。
同社の場合、業務の効率化に加え、多様な働き方が選択できると採用の面でも効果があったという。
石井社長は「『アフターコロナ』を見据え、日常的にテレワークを活用できる社風を育てることは今後の会社の成長にもつながる」と強調する。
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