ワクスマ評価制度を先駆けて導入され、すでに自社運用を続けられている「フォーシーズン株式会社」の荒木社長にお話をお伺いしました。
前回記事では、荒木社長の体験から企業理念が生まれていることをお話いただきました。
引き続き、評価制度導入当初のお話を伺います。
≪ フォーシーズン株式会社 ≫
『利他の心で、人をつくり、まちをつくる』を企業理念とし、豊富な情報を集め、物件探しを楽しんで欲しいという思いが込められた「倉敷の不動産情報はココでわかる!!」住まいテラスを運営。地域社会に深く根ざし、お客様との信頼関係を築きながら、美しい街づくりに貢献されている企業です
取材協力:フォーシーズン株式会社 代表取締役 荒木隆正 様
評価制度担当:株式会社ワークスマイルラボ(ワクスマ) 黒谷明香
バックオフィスの賞与配分を決める
記者:荒木社長と同じく、ホップ・ステップで駆け上がりたいというタイプの方は顔色が良くなったというお話でしたが、一段一段積み上げて行きたいというタイプの方に不安はなかったんですか?例えば、事務職の方はステップアップしにくいお仕事ではないでしょうか。
荒木社長:営業マンは毎月その売上を出せば歩合がつきますが、サポートすることが多いバックオフィスは、そういう稼ぐっていうことが難しくて、スキルアップしかないんですよね。営業の方が稼ぎやすいっていう問題があるので、賞与配分を変えて差をつけたんです。
記者:バックオフィスの方の方が、賞与が多くなるということですね。
営業とバックオフィスの関係
荒木社長:貢献具合を評価して、バックオフィスの配分上げてあげようと営業に言ったら、営業側は抵抗があったんです。俺たちが稼いでいるという意識ですよね。
記者:確かに、会社の利益に直結するのは、営業の皆様の力なので、そのように思ってしまいそうです。
荒木社長:本当言葉としていいのか悪いのかですが、営業会社なので売ってナンボ、稼いででナンボの世界っていうのは、事実なんですよね。
記者:たくさん売り上げをあげた営業マンが評価されるというのは、今までの考え方だと当たり前に感じます。
荒木社長:確かに、営業成績の良い人はヒーローです。でも、成績がいくら良くても性格が悪かったら困りますよね。僕は重要だと思っているので。
部署を超えて理解し合う
記者:それでも、頑張って営業をされている皆さんに、バックオフィスの賞与配分を高くすることを、どのように理解いただいたんでしょうか。
荒木社長:企業理念の『利他の心』を話しました。バックオフィスがいなければ、君たちは営業は自由に飛び回れないよね。バックオフィスの貢献で営業ができているよ。稼げる仕組みまで得ているよ、と理解を求めたら、「あ!それだったら大丈夫です」となりました。
記者:なるほど。バックサポートだけでなく、稼げる仕組みづくりをしているというのは、営業の皆様にも伝わりやすい言葉ですね。
荒木社長:やっぱり『利他の心』で、営業側はバックオフィスの手伝いもするし、バックオフィスは営業が外に出やすいようにどんどん送り出すというのが、今のところうまく回っています。
記者:企業理念や、評価制度の説明を通して、社員の皆様と、今まで触れてこなかった、深いところまで話し合いができるように感じました。
やらなければ今と変わらない
記者:評価制度の導入を悩まれた時期があったと思います。その頃の荒木社長ご自身に、自社運用をしている今の荒木社長から伝えたいことはありますか?
荒木社長:本当に「経験」とか「勘」というものを、優先する経営者が多いと思うんですね。僕もそのタイプでした。でもそれは、ちゃんとした指標ではないです。
記者:「経験」や「勘」という、あいまいな感覚で、社員を評価してしまうということですね。
荒木社長:明確な指標がちゃんと評価としてあれば、社員も経営者もやりやすい。「適正な判断がしやすいのがこの評価制度の良さなので、躊躇しているんだったら、まずやってみてください」ですね。
記者:評価の指標があったほうが、効率的になるということですね、でも導入前は、実際どれくらいやりやすくなるか、見えづらい時ですよね。
荒木社長:「やってみれば分かります。やらなければ分からないまま、今と変わりませんよ」と言いたいですね。