近年の社会情勢などで一気に加速した業務のデジタル化。
しかし、単に世の中の動きがアナログからデジタルへ移行するのが主流だからという理由だけで、何の目的もなくデジタル化を進めるのは、逆に業務に混乱を招き、生産性を低下させてしまうため危険です。
そこで今回は、業務をデジタル化する目的とは何か、デジタル化によってどのような効果が見込めるのかについて解説します。
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デジタル化の目的とは
デジタル化と聞くと、単に「デジタル技術を活用してアナログデータをデジタルデータに変換すること」だと考えがちですが、デジタル化とは単にデータの変換を目的とするものではありません、
企業がデジタル化をする目的には様々なものがありますが、一般的に目的として挙げられることが多いのが、デジタル技術やデータを活用した業務の効率化や、IT社会における競争力の強化です。
具体例を挙げると、これまでアナログで処理されていたものをデータ化して在庫管理や意思決定の迅速化を図ったり、ITツールを駆使することで、これまで繋がれなかった顧客へのアプローチが可能になることで事業の拡大を図ったりと、業務の効率化だけでなく、ビジネスの可能性を広げる目的でも業務のデジタル化を推進する企業が増えています。
デジタル化は「目的」ではなく「手段」
ここで注意したいのが、デジタル化はあくまでも手段であり、それ自体が目的ではないということです。
事前にどういった目的でデジタル化を推進するのか、また何をゴール地点として設定するのかということを明確にしておかなければ、デジタル化自体が目的となってしまい、単にITツールを導入するだけで終わってしまう可能性があります。
そのため、デジタル化を推進する際には、自社にどんな課題があるのかを整理した上で、それを解決するための手段としてITツールの導入や、アナログ資料のデータ化などを行うことが重要です。
企業がデジタル化の目的にしている課題例
業務の効率化や企業の競争力の強化と言っても、抽象的すぎてピンとこないという方も少なくないでしょう。
では具体的に企業がデジタル化の目的としている課題の例をご紹介します。
稟議書などの決裁を迅速化したい
プロジェクトの稟議や各種申請などの判が必要になる決裁書類は、決裁者が不在の場合、滞ってしまうことが多々あります。
決裁の遅れは、事業の機会損失だけでなく、社員の生産性にも影響します。
例えば、決裁が滞ることでプロジェクトの進行が遅れてしまい、売上増加が期待できる時期を逃してしまったり、競合に先を越されてプロジェクトが頓挫したり…という可能性もあります。
またプロジェクト進行だけでなく、社員側でも判を押してもらうために決裁者の行方を探したり、決裁が下りたかどうか確認して回ったり、そもそも書類作成作業に時間がかかったりなど、業務効率が非常に悪いため、決裁の迅速化を課題にしている企業は少なくありません。
出張費や印刷費などの経費を削減したい
経費削減は企業にとって常に意識されていることではありますが、中でも営業や会議などで遠方に出張する社員の多い業種の場合、出張費や宿泊費の削減は企業の課題になっていることが多いです。
特に、近年の社会情勢による移動自粛を機に、出張費や宿泊費の削減に乗り出す企業も多く、経費削減を目的としたデジタル化が進められています。
この場合、オンライン上で相手の顔を見ながら会話ができるWeb会議システムを導入すると、交通費や宿泊費などのコスト削減はもちろん、移動時間の削減が可能になるほか、ボタン一つでパソコン画面が共有できるため、紙の資料を準備する必要がなくなり、生産性の向上だけでなく、印刷費などのコストカットも実現します。
働き方を多様化して有能な人材の流出を防ぎたい
有能な人材の流出は、企業にとって大きな損害であり、多くの企業で課題として挙げられています。
実際に会社に何の不満がなく働いていても、病気や怪我による離職・休職だけでなく、出産・子育て・介護などのライフスタイルの変化に伴って、家庭と仕事の両立が難しくなり、やむを得ず離職をするという社員も少なくありません。
特に人材不足の企業にとっては、これまで育成してきた大切な人材を失うことは、できるだけ避けたいところです。
近年、そういった課題を解決するために働き方の多様化に取り組む企業が増えており、テレワークを導入することで、どこにいても働ける環境を作り、人材の流出を防いでいます。
デジタル化することで得られる効果
業務をアナログからデジタルに移行することで、どのような効果が見込めるのか、3つに分けて解説します。
業務の効率化
デジタル化をすることによって、人間が手作業などで行っている業務をデジタルに置き換えることで自動化できるため、作業時間の短縮化、ミスの削減、属人性の排除など、業務の効率化が期待できます。
売上の増加
デジタル化によって見込める効果の二つ目は、売上の増加です。
例えば業務をデジタル化することで、オンライン上でこれまでアプローチできなかった層へのリーチが可能になり、さらに顧客データの収集が容易になることで、新たな市場の開拓、事業の拡大が期待できます。
また従来の営業・販売方法に加えてオンライン営業やECなどを導入することで、市場の拡大だけでなく、受注率の向上や客単価アップなども見込める効果の一つになります。
新たな顧客体験による顧客満足度の向上
デジタル化することで見込める効果の三つ目は、顧客満足度の向上です。
営業や販売などの業務をデジタル化することで、待ち時間の短縮や納期の短縮、個別での対応などが可能となり、結果的に顧客の満足度が向上します。
また顧客満足度が向上することで、継続的な売上の確保が期待できるという良い循環が生まれることもメリットの一つとなります。
デジタル化のメリット・デメリットについては、こちらの「デジタル化が企業に与えるメリット・デメリットとは?」でも詳しく解説しています。
デジタル化の目的を見失わないために
業務のデジタル化を成功させるためには、デジタル化の目的を明確にすること以外にも、いくつかのポイントがあります。
・はじめにデジタル化のロードマップを描くこと
・経営効果が得られる最適なデジタルツールを選定すること
・トップ直轄のプロジェクトチームを作り、デジタル化を推進する
・デジタル化推進の人材が社内にいなければ、専門家に相談をすること
重要なのは、現場任せにせず、社内全体でデジタル化推進の意識統一をすることです。
そのためには、トップ直轄のプロジェクトチームを作り、どうしてデジタルに移行するのかという目的を明確に設定、目標に至るまでの詳細なロードマップを作成することが大切です。
その際に、もし社内にITに詳しい人材がいなければ、専門家に相談することをおすすめします。
デジタル化に関する専門家であれば、最適なツールの選定だけでなく、効率的なデジタル化推進のロードマップの作成、デジタル化における社内ルールや制度などの仕組み作りに関することまでサポートが可能です。
・社内にITに精通している人がいない
・デジタル化と言っても何からすれば良いのかわからない
・普段の業務に遅れを出さずに、効率的にデジタル化したい
…など、デジタル化に関するお悩みをお持ちの場合、一度、専門家に相談してみてはいかがでしょうか?
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