日本経済新聞 地域経済欄に掲載されました。(2019/12/17)
地方で探す働き方(上) 中小 テレワーク先駆け 岡山発 業務改革の風
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO53427270W9A211C1LC0000/
2019/12/17付 日本経済新聞 地域経済 下記一部抜粋
11月22日午前8時、小田沙綾は勤め先の本社ではなく、同じ岡山市内のJR岡山駅前の商店街にあるサテライトオフィスに車を走らせていた。
到着するとパソコンを開き、8時半の朝礼にはテレビ会議で参加した。 「ここで働くのは今は月に2~3回。
ちょっと前は丸々1週間サテライトだったり、自宅でテレワークだったり」。
妊娠5カ月で自宅に近い駅前の方が負担が少ない。
勤務先のオフィス用機器・システム販売のワークスマイルラボの本社は駅から車で20分以上かかる。 IT(情報技術)大手や東京の大企業が主導してきた感のあるテレワークで、従業員35人の地方企業である同社が新風を吹かせる。
総務省の「テレワーク先駆者百選」で中小企業として初めて総務大臣賞を受賞した。 テレワークの導入には苦労した。
17年に営業も含む全社員に導入したが、勤務時間を短くする方針が災いし、「隠れて仕事したり、逆に客をほったらかしにしてクレームが来たりと、逆効果に気づいた」。
そこで18年、時間あたりの成果を重視する人事評価制度を導入。間接部門すら成果を数値化した。
勤務時間を問わず生産性を高めさえすることで評価が向上するのであれば、働き手としては工夫して効率的に仕事をしようと考える動機づけになる。
上からの押しつけでなくおのずと「生産性を上げるためにテレワークを使うようになる」。 社員はデスクに置く「札」で退社時間を宣言する。
午後5時半ならExcellent、遅いとBadとなる。 社内改革の成果を踏まえ、中小企業へのテレワークの導入支援にもビジネスを広げる。
テレワークを導入し活用するための就業規則やルール作りも助言する。