前回記事ではWORK SMILE LABOが新しい評価制度を導入したきっかけをご紹介しました。
今回は評価制度構築時の重要なポイントをご紹介します。
評価制度を育成ツールにするためにしたこと
評価制度が賃金を決めるだけで社員の不満につながるものではなく、評価そのものが社員のやる気を引き出していくことにつながれば理想的です。
社員が自ら目標を立て、会社の理念に沿って自ら考えて行動することができれば、最終的には業績を伸ばすことも期待されます。
まずは、社員に期待することを明確にするために、社長の目指すことやビジョン、思いを文章化しました。
次に、具体的にどのような行動が会社のビジョンに沿い、評価できる行動なのかを明確にします。
そのために、社長が考える優秀な社員の考え方と、どのような行動を取っているかを聴き取りました。
優秀な社員の話は実際の業務に即した具体的な内容でとても参考になり、評価項目を明確にすることに役立ちました。
これによって判断の基準になる軸ができ、評価者の点数付けにおける悩みも軽減されました。
構築だけしても意味がない
新しい評価制度を導入するだけではなく、これを適切に運用していく必要があります。素晴らしい制度を設けたとしても、社長が一方的に立てた目標だけでは社員の行動を変えることは難しいでしょう。
社員が自ら目標を設定し、主体的に行動するためには、評価制度を構築するだけでは不十分であり、むしろその制度を社員に浸透させていくことが何よりも重要です。
制度を社員に浸透させるためにしたこと
社長の思いを明確にし、具体的な行動を評価項目に落とし込んだ次に、制度を社員に浸透させるために何が必要かを考えました。
新しい評価制度の目的は社員の育成ツールにすることです。
そのためには社員と直接話し合い、対話を進めて行くこと以外方法はありません。
そこで期末の最終評価をする前に中間面談を行い社員との対話の機会を増やしました。
一見、労力がかかることのように思えますが、ただ漠然と社員と話しコミュニケーションを取るのではなく、テーマに沿った会話は、より深くお互いを理解し合うことができ有効な時間となりました。
社員が評価のポイントを理解し、自己評価を通じて自らの方向性が適切でないことに気づけば、期の後半で行動を修正していくこともできます。
話し合いを通じて評価が行われているため、突然の理不尽な評価に驚くこともありません。
通常、中間の面談は行われないことが一般的でしたが、この中間面談を行うことがとても重要なカギとなりました。
面談の機会を増やし社員と対話を続けることで制度が徐々に浸透していきました。
運用していくために必要なこと
重要なポイントをまとめると、
①社長の目指すことやビジョン、思いを文章化
②優秀な社員の考え方と行動を評価基準に組み込む
③中間面談を通じて社員と対話する
以上の行動をとることで、評価制度が育成ツールとしての機能を発揮していくことになります。