前回「経営方針を浸透させる仕組み」について書かせていただき、
その続きにもなりますが、浸透の仕組みが離職率も改善させた、
という内容です。
つまり、
『離職率の改善に関する取組み』=『経営方針を浸透させる仕組み』
といっても過言ではありません。
社長は『夢を売るのが仕事』と言われますが、その夢は
“買って”もらわないといけません。
では、誰に買ってもらいたいのか?
私の場合は『社員』です。
その為の一つとして、経営方針書があります。
ただ、毎年方針書を作成しても、社員にはなかなか浸透しません。
せっかく作成した方針書のに、しばらく時間をおいて、
社員に方針書の中身の質問してもほとんど覚えてない。。。という状況でした。
なので、方針書の中身を
社員さんに行動に移してもらうためにどうすれば良いか?
ということを考え様々な取組みをしました。
その中で特に効果が高く、今も続けている取組みをご紹介致します。
皆さん、え?そんなこと?
と思われるかもしれませんが、
方針の浸透に1番効果がある取組みは、社員面談です。
1番初めに面談を始めたのは、いまから8年前です。
きっかけは、社員が次々に退社していく中で、
何が理由で辞めていくのかが分からず途方にくれていたことです。
これ以上、退職者を出すわけにはいかない!と思い
理由が分からないのであれば、「まずは社員一人一人と話しをしてみよう。」と思いました。
その当時は、私は社長ではなく責任者という立場でした。
社員に向け、「これから毎月全員と月1回の面談をしたいと思うので、
何か悩みや困ったことがあればその面談で教えてください。」と伝え、スタートしました。
1人20分づつの時間をとっていたのですが、
第一回目の面談は、「何か困っていることはありますか?」と聞いても
だれも何も言ってくれません。「何も困ったことはありません。」と言われました。
そんな調子なので、1人2分くらいで終わりました(笑)
こんな感じの面談が約3ヶ月くらい続きましたが、
絶対にこの面談は続ける!
と決めていましたので、辞めませんでした。
すると少しづつ、「実は●●が困ってます。。。」
というような意見を話てくれる社員が出てきました。
あとで社員から聞いたのですが、
面談を始めた時の社員の心の中は、
『また社長の息子がどこかから話しを聞いてなんか始めたわ。。。
少し付き合ったらまたすぐにやめるだろ。。。』
という感じだったらしいです(笑)
でも、半年経って何も意見がでなくても、やり続けるのをみて社員も、
『今回はこいつ本気やな。。。』と思ったと思います。
一度意見が出るようになってからは、毎回とても多くの意見が出るようになりました。
最初は正直いって、会社への不満ばかりでした。
僕は面談を始めた際に決めていたことがありました。
それは
“社員から出た意見に対しては、必ず返答をする”
という事です。
出来ることはすぐする。出来ないことは出来ない理由を必ず伝え、代替案を出す。
それをする事で、前向きな意見がどんどん出るようになりました。
そして、今は面談の時間のほとんどは会社の方針の説明の時間です。
1人1人、方針の理解度は違います。
理解しているようで間違った解釈をしている社員もいます。
なので、面談という機会を使い、会社の方針と目指すべきビジョンを語り、
会社のビジョンと社員一人一人のビジョンを合わせていくことが、最高の人財育成の場となっています。
面談をする上で、大事にしていることは、
●環境
●タイミング
です。
例えば、少し時間が空いたので、時間の空いている社員を呼んで面談をする、
というのはあまり効果的ではないと思います。
やはりしっかりと事前に考えてもらい、
いつもと違う環境で面談をすることで、
いつもはできない話しができます。
なので、事前にキチンとスケジュールを決め、
面談する順番も決め、
場所も社内の社長室や応接室で2人きりになれる場所、
たまに気分を変えて外のカフェや喫茶店でやったりもします。
事前にスケジュールを決めることで考えてきますし、
2人きりで話しをすることで本音も出やすくなります。
私の経験上2人きりで話しをして、
悪い結果になったことは一度もありません。
今の会社があるのは、
9年前に始めた面談を続けたからです。
費用もかからず、効果は絶大!
そしてすぐに始められる社員面談をぜひおススメします。
詳しい内容は、是非ワクスマ見学会で!
【8月のワクスマ見学会のお知らせ】
今回は経営方針だけでなく、様々な『浸透=社員の巻き込む“仕組み”』を中心に
【ワクスマ見学会】でご案内します。
■日 時 :8月2日(木)、8月16日(木)、8月30日(木)
※それぞれ13:30 – 15:30です。
■場 所 :石井事務機センター(もちろん無料です)
【プロフィール】
石井 聖博(いしい・まさひろ)
キヤノンマーケティングジャパン株式会社を経て、2006年株式会社石井事務機センターに入社。2015年より現職。従来のオフィス機器販売から、より良いワークスタイルを提案する会社への変革に着手。2016年、本社をライブオフィス化し、自社の働き方を実際に体感できる“ワクスマ”事業を開始。中小企業に特化したテレワークやICTを活用した多様な働き方に挑戦している。帝京大経済学部卒。岡山市出身。1979年生。