【5月28日】日本経済新聞に掲載されました
ワークスマイルラボ、 フリーランス核に利益3割増 岡山中小に知見共有
IT(情報技術)を活用した働き方改革支援を手掛けるWORK SMILE LABO (ワークス マイルラボ、岡山市)が、働き手の半数をフリーランスが占める組織づくりで利益を伸ばしている。人材難に悩む地方の中小企業にノウハウを広げ、商機に変える。
「外注費を差し引いても利益が3割アップした」。同社の石井聖博社長はフリーランス人材活用前と比較して手応えを口にする。事務作業や広報業務のほか、顧客のデジタルトランスフォーメーション (DX) 支援といった職種で活用を進める。社員23人に対し、東京や海外などに住む24人のフリーランス人材が遠隔で働く。
フリーランスを取り入れた組織づくりは2024年から本格始動した。 従来の社員数は30人以上。退職した社員の穴を埋めるため、中途採用での人材確保に取り組んでいた。人手不足で採用難易度が上がり、費用がかかる一方で定着しないなどの課題があ った。
試験的にフリーランスに発注したところ次々に応募が集まり、手応えを得た。顧客企業のテレワーク導入を支援してきた知見を生かし、フリーランス人材と社員の両方が働きやすい職場環境を整えた。
仕事が発生したときにだけ業務を発注するため、ワークスマイルラボにとっては正社員を雇う人件費より外注費の方が安く済むという。採用にかかる費用は年間400万円削減できた。
同社は「フリーランスは意欲的な働き手が多い。高度なスキルを持つ人材が中小企業でも前向きに働いてくれる」とする。業務の役割分担や就業時のルールを明確に伝え、DX支援のチームを率いるリーダーとしても活躍してもらう。
26年3月から外部向けにフリーランスを生かした組織づくりのノウハウ提供に動き始めた。まずは岡山県内の中小企業を中心に、委託できる業務の整理やテレワーク環境の整備、募集の支援に取り組む。
料金は定価で1社につき300万円 (税抜き)。すでに引き合いがあるといい、 26年11月期中に30社への提供をめざす。 全国展開も視野に入れる。
実質的に企業の指揮命令下にある「偽装フリーランス」にならないようにするなどの注意も欠かせない。トラブルを避けるため、勤怠管理を社員と分けるなどの注意点を伝えている。
地方の中小企業にとっての大きな課題は人手不足だ。岡山県では就職を機に若者が県外に流出する傾向が続き、若手を採用するハードルは高い。全国的に転職も活発になっており、人材育成費用に見合った活躍をしてもらうことが難しくなりつつある。
加えて、 DXによる省力化を進めたくてもITの知見がある人材は少ない。20年の国勢調査に基づき計算するとIT技術者のうち6割が1都3県の首都圏に集中するとされる。
処方箋として期待されるのがフリーランス人材だ。リクルートワークス研究所によると、フリーランスを本業とする人は直近データの23年に約320万人となり、22年比で4%増えた。多様な能力を持ち、テレワーク環境を整えれば場所を問わず業務を任せられる人材の活用を課題解決につなげる。
ワークスマイルラボは1911年に文房具店として創業した。2018年に「石井事務機センター」から現在の社名に変更し、オフィス用品やITサービスの販売を通じた働き方改革を支援してきた。25年11月期の売上高は5億8900万円。
内閣府が主催する「地方創生テレワークアワード」を25年度に受賞した。岡山市にある本社オフィスの見学会には全国から年200社ほどが訪れる。まず自社が取り組んで成果が出た労働環境改善のノウハウを取引先に伝え、経営課題の解決につなげている。
(中野颯太)









