株式会社WORK SMILE LABO (以下ワクスマ)は、
岡山県岡山市南区福浜町に本社を構え、
事務機・事務用品・オフィス家具・ICT関連サービスの販売を
通じて働き方全般をご支援しています。
現社長の石井聖博(まさひろ)が生まれ、会社の業績も好調で何不自由なく育てられた。 将来家業を継ぐこともあり、主要仕入れ先である現キヤノンマーケティングジャパン株式会社に「コネ入社」。 売上は仲が良い太いお客様が何件かあり、そちらからの紹介で常に成績は良かった。
入社から3年半後、キヤノンを退職し石井事務機センターへ入社。 業績低迷・社風が悪いという最悪のタイミングで入社。
リーマンショックにより取引先が激減。
聖博は突然社長の英行(現会長)に呼ばれ、廃業するか否かという切迫した状況を打ち明けられた。その時、一番最初に感じたことは、その事実を知らない自分に腹が立ったことだった。
会社の存続を決心し、翌日から二人で銀行に頭を下げ、返済見直しのお願いに回った。石井事務機センター創業99年の年のことである。
絶体絶命のピンチの中、聖博は起業家養成スクールで作成していた発表用の経営計画書を銀行の担当者に見せたところ、「内容はともかくとして作っていないよりマシですね」と言われ、返済の見直しに応じてもらうことができた。
この出来事によって、聖博は後継者としての意識が変わり、経営者として覚悟をもつことができた。
その年の売上は3億4千万、経常損失1900万。2000年の売上ピーク時10億からたった9年で3分の1にまで下がっていた。
実質的な経営再建がスタート。
銀行からは今のビジネスモデルを変えなければ未来はないと指摘され、営業し、納品し、現金を回収するというルーティーンの中、追加融資は受けられず、毎月ギリギリの日々。
特に最初の2010年、2011年は、本当に会社にお金が無く、営業活動というより、いかに売ってお金を回収するか?という事だけ考えてました。
毎日、銀行の残高を経理担当者と見てお金のやり繰りをしていました。
お金がないと、理念やビジョンを考えるどころか、お客様満足や社員満足も全く考える余裕はありませんでした。そんな事を言ってる場合じゃありません。
その時初めて、会社はキャッシュがなければ、いくらいい理念やビジョンを語り、お客様満足や社員満足を念っても、全くもって意味がない。言う資格もない、と心から思いました。
その当時の僕の給料はいまの新卒社員より少なかったです。もちろんボーナスもなし。
周囲はそんな実情は知りませんから、老舗企業の4代目のボンボンとして、羨ましいがられましたが、本当のことも言えず、本当に惨めな気持ちでした。
会長の父親とも関係は最悪で、毎日のように喧嘩、その当時の主力社員はほぼ全員退社、周りに味方はおらず、給料も全く納得いかず、、、真っ暗なトンネルを永遠に走ってるような感覚で、正直、何度も辞めようと思いました。。
運転資金が尽き、いよいよ不渡りを出す寸前まで追い込まれ、融資も受けられず、「倒産」の二文字が現実に近づく。
手形決済日まであと1週間しかない中、かつて本社のあった社有地にやっと買い手がついた。
しかし、何年も放置されていたホコリまみれの倉庫を綺麗に掃除するのが条件。社員の誰にも打ち明けられなかった聖博は、弟・聖至(きよなり/現専務取締役)と共に真夏の炎天下、エアコンも電気もない中二人きりで掃除をした。
この時初めて、「こんなことをする為に会社に戻ったのではない。辞めたい」と聖博は涙を流し、弱音を吐いた。土地の決済が終わったのは手形決済のわずか5日前のことだった。
どん底の経営状況の中、石井事務機センターは100周年を迎えた。
社有地の売却で得て余った資金300万を元手に以前から構想していた新規事業の着手に取り掛かる。
聖博は四代目として代表取締役に就任。
『「働く」に笑顔を!』という理念体系を基に社長・幹部・社員と共に新しい事業ブランドづくりを実施した。
同時に、事業ドメインをOA機器販売業から、笑顔溢れるワークスタイル創造提案業に再構築したことで、新たなビジネスモデル「WORK SMILE LABO」の発想が生まれた。
自社の働き方の課題を抽出し、それを解決するための商品やサービスを探し、実際に試して効果のあったものを紹介・提案し、それらを導入・活用するための社内制度やルールも併せて紹介することで、一連のノウハウも含めた提供ができるようになった。
「自社変革で成果のあったものをワクスマで体験していただき提案する」というポジションは、アスクルやアマゾン、他の直接競合・間接競合には真似できないという確信のもと、魅せる職場創りに着手していった。
さらに、現在最も注力している取組みにテレワーク(在宅ワーク)では、「真面目に努力し目標にコミットした人が報われるように」という考えのもと、就業ルールや評価制度も柔軟に変えていった。
経営理念の策定から事業ドメインを変え、営業戦略も変えたことで石井事務機センターの企業文化はたった1年でチャレンジングな社風に生まれ変わっていった。
総務省の「テレワーク先駆者百選」に選出された。名だたる大企業の中で数少ない地方の中小企業からの受賞となり話題となった。
「中小企業のテレワークといえば『ワクスマ』」となるよう様々な取組みを行っている。
いまから7年前の社長就任時に、初めて会長に対して、会社の倒産の危機について、「そういう経験を30歳の時にさせてもらって良かったです。」と御礼を伝えました。
あの機会がなければ、いまの自分もいまの会社もありません。
誰に言われたわけでもなく、お金のためでもなく、ただ単純に絶対に諦められられないビジョンが心の支えになり、自分の成長の原動力になりました。
ビジョンや理念は、いつまでも達成することのない追いかけ続ける理想だと思っています。
なので、ギャップがあって当たり前です。
その理想を深く信じ追求すること、、そして常にギャップを持つことが自分のやるべきことを明確にし、行動するエネルギーの源泉になります。
その理想を念う強さがエネルギーの源泉です。
それは自分自身の体験に基づいて気づくことができました。